バイナリーオプションの借金は債務整理や自己破産できるのか?

「バイナリーオプションで借金を負った場合、債務整理は可能ですか?」
「バイナリーオプションで借金を負った場合、自己破産は可能ですか?」

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バイナリーオプションが失敗してしまって借金を負うことになってしまう方も中にはいます。では、バイナリーオプションで借金を負ってしまった時に債務整理はできるのでしょうか?今回は、バイナリーオプションで借金を負った場合に、債務整理や自己破産はできるのか、解説します。

バイナリーオプションで借金を負う状況とは?

FXトレードの場合は「追証(おいしょう)」と言って、相場が急変動すると、FX業者が行う強制的なロスカットが間に合わずに、口座残高がマイナスになり、そのマイナス分をFX業者が投資家に請求する仕組みがあります。

これが「追証」ですが、「追証」というのは、投資家のFX業者に対する「債務(借金)」ということになり、返済しなければならないものです。この「追証」が払えずに、FX業者に対する借金が残ってしまう方も少なくありません。

バイナリーオプションの場合は、この「追証」がありません。

あくまでも、投資した残高以上の損失は発生しないため、バイナリーオプションでバイナリーオプション業者に対して借金するということは起こらないのです。

そうなると、バイナリーオプションで借金するということは

 

手持ちの余裕資金では飽き足らずに

  • カードローンで借りたお金でバイナリーオプションして、負ける
  • クレジットカードで借りたお金でバイナリーオプションして、負ける
  • 友人から借りたお金でバイナリーオプションして、負ける
  • 家族から借りたお金でバイナリーオプションをして、負ける

という状況が考えられるのです。

 

一般的なローンは、投資資金への利用を禁止しているため

  • 資金使途自由のカードローン
  • クレジットカードで入金できるため、クレジットカードの利用
  • 友人・知人・家族

からの借金が主なものとなるのです。

バイナリーオプション負った借金の債務整理

債務整理には

  1. 任意整理
  2. 自己破産
  3. 個人再生

という大きく分けて、3つの方法があります。

任意整理とは

司法書士や弁護士に依頼し、借金の債権者と交渉して、借金を減額させる手続きのこと

を言います。

簡単に言えば

司法書士や弁護士の仲介者が

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「このままでは借金を返済することは無理で、自己破産するしかなくなってしまうので、返済可能なラインに借金を減額し、返済期間の猶予を設けてもらえませんか?」

という交渉をすべての債権者に対して行う手続きです。

  • カードローンなら、大手消費者金融や銀行
  • クレジットカードなら、クレジットカード会社
  • または、上記の債権を譲渡された債権回収会社

と交渉し、借金の減額を行うのが任意整理です。

バイナリーオプションの借金も任意整理できるのか?

できます。

任意整理は、裁判所を通さない手続きですので、あくまでも、「借金した方(債務者)」と「お金を貸した方(債権者)」が仲介者である「司法書士・弁護士」を通して、条件交渉する手続きです。

とくに「○○はできない」「△△という借金は対象外」という決まりはないのです。

バイナリーオプションでできた借金だとしても、任意整理ができないということにはなりません。

 

ただし、対外的にギャンブルと同義で語られやすい「バイナリーオプションでできた借金」というのは、「お金を貸した方(債権者)」からすれば印象が良くありません。

いくら「司法書士・弁護士」がこういう返済計画で○年間で返済させるので、借金を減額してくださいと言っても、「また、バイナリーオプションに使ってしまうのでは?」という疑念を持たれやすく、致し方ない理由で背負った借金(例:会社の倒産)よりは、任意整理の成立が難しくなってしまう可能性はあります。

 

自己破産とは

自己破産は、裁判所を通して行う借金を免責してもらうための法的な手続きのこと

を言います。

弁護士に依頼して自己破産を行います。

自己破産は「借金をゼロにしてもらえる手続き」なのですから、相応のデメリットもあります。

自己破産のデメリット

財産を処分しなければならない

「財産を持っているのに借金が返せないから、免責して欲しい。」というのは、道理が合いませんから、一定額以上の財産はすべて処分しなければならないです。

99万円以下の現金以外は、基本的には不動産や車なども処分しないと、自己破産は認められません。

官報に掲載される

官報というのは、国が発行する新聞です。この新聞に破産者の情報は掲載されます。

「会社や同僚、友人、知人、家族にバレてしまうか」というと、一般の方で官報を見ている方は、ほぼいませんから、まずバレることはありません。しかし、「バレる可能性はゼロではない」というのがデメリットと言えます。

保証人がいた場合、保証人に借金の請求が行く

自己破産をした場合、自分の借金は免除されますが、その借金に保証人を付けていたら、その保証人の返済責任は免除されません。つまり、自己破産をした場合、保証人の方に債権者から取り立てがいってしますのです。

保証人には多大な迷惑をかけることになります。保証人が借金を返せない場合は、保証人も一緒に自己破産しなければならないのです。

免責が認められるまで、就けない職業がある

自己破産の手続き中の数カ月から1年の間は、警備員、生命保険募集人、古物商(ディスカウントストアの責任者など)、宅地建物取引士などの決められた職業に就くことができません。

制限職種に該当する仕事をしている方は、その一定期間仕事を休職するか、辞めて、自己破産後に再就職する必要が出てきます。

資格制限をうける職業の例

  • 土地家屋調査士
  • 不動産鑑定士
  • 宅地建物取引士
  • 旅行業務取扱管理者
  • 金融商品取引業
  • 警備員
  • 風俗営業者
  • 旅行業者
  • 宅地建物取引業者
  • 生命保険募集人
  • 損害保険代理店
ローンやクレジットカードが利用できなくなる

基本的に自己破産をすると、5~10年間年間は個人信用情報に「破産」の事実が掲載されます。

ローンを提供する金融機関やクレジットカード会社は、審査の際にこの個人信用情報を照会して、審査を行うため、「破産(返済事故)」の事実があると、まず審査には通らないのです。

個人信用情報から「破産」情報が抹消されるまでの5~10年間は、ローンやクレジットカードの利用ができなくなるのです。

バイナリーオプションの借金も自己破産できるのか?

できます。

自己破産には「免責」が認定されるかどうか?という問題があります。

免責不許可事由
  • 浪費やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合
  • 財産を隠したり、壊したり、勝手に他人に贈与したりした場合
  • 破産申立てをする前の1年間に、住所、氏名、年齢、年収等の経済的な信用に関わる情報について嘘をついた上で、お金を借りたり、クレジットカードで買物をしたりしたような場合
  • ローンやクレジットカードで商品を買った上で、その商品を非常に安い値段で売ってお金に替えた場合
  • 破産の申立てをした日から数えて7年以内に免責を受けたことがある場合
  • 裁判所や破産管財人が行う調査に協力しなかった場合

免責不許可事由の中には

  • 浪費やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合

というものがあり

バイナリーオプションが投資か?ギャンブルか?は、見解が分かれるものの、ここで引っ掛かって「免責」が下りない可能性もゼロではないのです。

しかし、「裁量免責」という制度があります。

ただし、免責不許可事由に当てはまる行為があったとしても、その行為の悪質さの程度や、借金をした理由、現在の破産者の生活や収入の状況等の様々な事情も考えた上で、裁判官が総合的に考慮して、破産者の立ち直りのために、例外的に免責を認める場合もあります(これを「裁量免責」といいます 。)

 

  • 真摯に借金をしたことを反省すること
  • 裁判所や破産管財人が行う調査に積極的に協力すること

ができれば、多くの場合「裁量免責」が認められます。

 

つまり、バイナリーオプションで背負った借金でも、「裁量免責」という制度があるため、自己破産は認められる可能性が高いのです。
ただし、致し方ない理由での借金(病気、会社の倒産、介護など)と比較すると、免責が認められる可能性は下がります。

個人再生とは

個人再生は、裁判所を通して行う借金を減額してもらうための法的な手続きのこと

を言います。

個人再生は、自己破産と違って、借金をゼロにするのではなく、借金を減額して、返済計画を立てて返済することを、裁判所が行ってくれる手続きです。

借金は残るものの、自己破産とは違って

  • マイホームがある場合に、マイホームを手放さなくても手続きができる
  • 自己破産の制限職種がないので、働き続けながら債務整理ができる

メリットがあります。

また、

自己破産の免責不許可事由 ≠ 個人再生の不認可事由

と違いがあります。

個人再生の不認可事由

  • 再生手続きまたは再生計画は法律の規定に違反し、その不備を補正することができないとき
  • 再生計画(住宅資金特別条項を定めたときはその再生計画)が遂行される見込みがないとき
  • 再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき(清算価値保障原則)
  • 債権額の総額(住宅ローンや担保権付ローンを除く)が、5,000万円を超えているとき
  • 支払い総額が最低弁済額を下回っているとき

住宅資金特別条項を利用する場合

  • 再生債務者が住宅の所有権またはその敷地の使用権限を失うことになると見込まれるとき
  • 再生計画に住宅資金特別条項の定めがないとき

小規模個人再生の場合

  • 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至った時
  • 再生債務者が将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがないとき

給与所得者等再生の場合

  • 再生債務者が、給与またはこれに類する定期的収入を得ている者に該当しないか、またはその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき
  • 給与所得者等再生による債務の一部免除、ハードシップ免責または破産免責を受けたときから7年以内に給与所得者等再生の申述をしていたとき
  • 返済総額が可処分所得額の2年分以上の額であると認められないとき(可処分所得弁済要件)

バイナリーオプションの借金も個人再生できるのか?

できます。

自己破産の免責不許可事由には

  • 浪費やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合

というものがありますが

個人再生の不認可事由には

  • 浪費やギャンブルによって多額の借金をしてしまった場合

というものがないのです。

 

つまり、バイナリーオプションで背負った借金で、個人再生は可能ということになります。

はじめから制限に該当しないため、バイナリーオプションで背負った借金で、自己破産が認められなかった方でも、個人再生は利用できる可能性が高いのです。

 

バイナリーオプションの借金でも債務整理はできるのか?

 

バイナリーオプションの借金でも、債務整理

  • 任意整理
  • 自己破産
  • 個人再生

は、問題なくできる

 

のです。

ただし、どの債務整理方法を選んでも

個人信用情報に「返済事故」の情報が掲載されてしまうため

  • ローンが5年~10年の間利用できなくなる
  • クレジットカードが5年~10年の間利用できなくなる

というデメリットが発生します。

さらに

  • 司法書士や弁護士に支払う報酬(数十万円)が発生する
  • 自己破産をした場合、保証人がいれば、保証人に請求が行く

というデメリットもあるため、慎重に債務整理を進める必要があります。

バイナリーオプションの借金額がそれほど高額でないのであれば(100万円以下)

  • 地道に働いて返済する

ことをおすすめします。

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安易に「債務整理をすれば借金が減る」と考えても、別の費用が発生し、さらにローンやクレジットカードが使えなくなるなどのデメリットもあるのですから、本当にどうにもならない時の選択肢でしかないのです。

 

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また、借金の相手が知人・友人・家族・同僚・上司などの場合は、債務整理をしても、借金を放棄するのは債権者である知人・友人・家族・同僚・上司になってしまうため、かなりの不義理をしてしまうことになります。

知人・友人・家族・同僚・上司からの借金であれば

  • 誠実に返済計画について話をする
  • 少しずつでも良いから返済を進める

ことで、解決する方が債務整理よりもトラブルにはなりませんし、人間関係も壊れずに済むのです。

 

まとめ

バイナリーオプションの借金でも、債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)は可能です。

 

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ただし、どうすることもできない正当な理由(病気、ケガ、会社の倒産、親の介護、起業失敗)で借金をした方と比較すると、債務整理が成立する可能性は若干落ちてしまいます。

いくら、バイナリーオプションの借金が債務整理できると言っても、金額が100万円未満であれば、地道に返済することをおすすめします。債務整理をすることでかかる費用やデメリットも、それなりに大きいからです。

そもそもは、手持ち資金の範囲内でバイナリーオプションを行えば、投資資金以上の損失は発生しない仕組みですので、今後も、バイナリーオプショントレードを続けるのであれば、借金したお金を投資資金にすることはせず、手持ち資金・余裕資金のみでバイナリーオプショントレードを行うことをおすすめします。

 

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