「国内バイナリーオプションの確定申告の仕方を教えてください。」
「国内バイナリーオプションの税金対策はどうすれば良いの?」
「国内バイナリーオプションの所得を勤務先にバレたくないのですが、どうすれば良いでしょうか?」
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国内バイナリーオプションの税金の計算方法、確定申告、税金対策、勤務先にバレない方法を丁寧に解説します。
目次
国内バイナリーオプションの税金

まず知っておくべきことは
- 国内バイナリーオプションの税金
- 海外バイナリーオプションの税金
は異なる
という点です。
- 国内バイナリーオプション業者を利用している方 → 国内バイナリーオプションの税金が適用される
- 海外バイナリーオプション業者を利用している方 → 海外バイナリーオプションの税金が適用される
- 両方を併用している方
→ 国内バイナリーオプションの収益に関しては、国内バイナリーオプションの税金が適用される
→ 海外バイナリーオプションの収益に関しては、海外バイナリーオプションの税金が適用される
のです。
今回は、国内バイナリーオプションの税金に絞って解説していきます。
国内バイナリーオプションの税金
- 申告分離課税
が採用されています。
「申告分離課税」とは
他の所得金額と合算せずに分離して税額を計算する方法のこと
を言います。
これと対極にあるのが「総合課税」で、「総合課税」では、給与所得や不動産所得、事業所得などを合算した金額から税額を計算します。
国税庁ウェブサイト


No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例
居住者又は国内に恒久的施設を有する非居住者が、一定の先物取引の差金等決済をした場合には、その先物取引に係る事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額(以下、この合計額を「先物取引に係る雑所得等の金額」といいます。)については、他の所得と区分して、所得税15%(他に地方税5%)の税率による申告分離課税となります。
イ 金融商品取引法に規定する市場デリバティブ取引のうち一定のもの(金融商品市場において、金融商品市場を開設する者の定める基準及び方法に従い行う次の取引)
1 平成16年1月1日以後に行う、平成18年改正前の証券取引法に定められている有価証券先物取引、有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引
2 平成17年7月1日以後に行う、廃止前の金融先物取引法に定められている取引所金融先物取引(いわゆる通貨等先物取引、金利等先物取引、金融オプション取引)
3 平成19年9月30日以後に行う、金融商品取引法第2条第21項第1号から第3号までに定められている取引
ロ 平成24年1月1日以後に行う、金融商品取引法第2条第22項に定められている店頭デリバティブ取引で同項第1号から第4号までに掲げる取引のうち一定のもの(金融商品市場及び外国金融商品市場によらないで行われる、いわゆる先渡取引、指標先渡取引、オプション取引、指標オプション取引)
国内バイナリーオプションは「金融オプション取引」ですので「先物取引に係る雑所得等の課税の特例」が適用されることになります。
国内バイナリーオプションの税率
所得税:15%
住民税:5%
合計:20%
これに東日本大震災の復興特別所得税として所得税額に2.1%が上乗せされるため
所得税:15% × 2.1% = 15.315%
住民税:5%
合計:20.315%
となります。
国内バイナリーオプションの計算方法
所得を計算します。
所得 = 収入 - 必要経費
税額 = 所得 × 20.315%
です。
- 国内バイナリーオプションの所得:10万円 → 20,315円
- 国内バイナリーオプションの所得:30万円 → 60,945円
- 国内バイナリーオプションの所得:50万円 → 101,575円
- 国内バイナリーオプションの所得:100万円 → 203,150円
となるのです。
上記の税金には「所得税」と「住民税」が含まれているため、確定申告時の所得税の金額はもう少し下がります。
国内バイナリーオプションの税金の優遇条件
国内バイナリーオプションでは
- 損益通算
- 損失繰越控除
という税制優遇が利用できます。
損益通算
損益通算とは
損益を合算して、税額決定の元となる所得に含めることができること
を言います。


3 先物取引に係る雑所得等の金額の計算上、損失が生じた場合
先物取引に係る雑所得等の金額の計算上、損失が生じたときは、他の先物取引に係る雑所得等の金額との損益の通算は可能ですが、先物取引に係る雑所得等以外の所得の金額との損益通算はできません。
先物取引に係る雑所得等には
- 商品先物取引
- 商品先物
- 商品指数先物
- 有価証券先物取引等
- 有価証券先物
- 有価証券指数等先物
- 金融先物取引
- 通貨等先物取引
- 金利等先物取引
- 金融オプション
が含まれます。
わかりやすく言えば
- FX(通貨)
- バイナリーオプション(通貨)
- CFD(日経225、外国株)
- 先物取引(金、プラチナ、原油)
などが該当します。
つまり、
- FX:-20万円の損失
- バイナリーオプション:+100万円の利益
→ +80万円の利益に対して課税
- FX:-50万円の損失
- バイナリーオプション:+50万円の利益
→ 利益が出てないから、課税なし
となるのです。
損失繰越控除
損失繰越控除とは
損益を繰り越して、以降の年に発生した利益と相殺して、税金を軽減すること
を言います。
国内バイナリーオプションの場合、3年間の損失繰越控除が可能です。

4 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除
「先物取引に係る雑所得等の金額」の計算上生じた損失の金額は、一定の要件の下で、翌年以後3年間にわたり繰り越し、その繰り越された年の「先物取引に係る雑所得等の金額」を限度として、一定の方法により、「先物取引に係る雑所得等の金額」の計算上差し引くことができます(詳細はコード1523を参照してください。)。
損失繰越控除は

- 1年目:損失 -100万円 → 課税なし
- 2年目:利益 +20万円 前の損失と合算すると-80万円 → 課税なし
- 3年目:利益 +30万円 前の損失と合算すると-50万円 → 課税なし
- 4年目:利益 +40万円 前の損失と合算すると-10万円 → 課税なし
となる制度のことです。
前年に100万円の赤字、翌年20万円の利益が出て、翌年の20万円に税金が発生してしまうと
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となってしまうため、「損失の繰越控除」という優遇制度があるのです。
国内バイナリーオプションの確定申告

確定申告とは
前年の1月1日から12月31日までに発生した所得を確定させ、税額を決める手続きのこと
を言います。
毎年、翌年の2月16日~3月15日が確定申告の期間であり、この間に手続き・納税を済ませなければなりません。
納税は、国民の三大義務であり、所得が発生していれば、必ず納税をしなければならないのです。
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会社員の場合は「確定申告」の代わりに、会社が「源泉徴収」という形で、国に社員の所得を申告し、給料から天引きするシステムが導入されています。
そのため、勤務先からの給料だけで生活している方は、「確定申告」をしたことがない方も多いのです。
国内バイナリーオプションの場合は、必ず確定申告する必要があるの?
基本的には
- 所得がプラスであれば確定申告をしなければなりません。
- また、所得がマイナス、赤字の場合であっても、「3年間の損失繰越控除」を使うためには、確定申告が必要になります。
つまり、
国内バイナリーオプションでトレードしている方は、確定申告は必須
と考えておけば損はありません。
国内バイナリーオプションの確定申告の方法
手順その1.必要書類を集める
確定申告で必要になる書類は
- マイナンバーカード(マインバナー通知書)
- 源泉徴収票
- バイナリーオプションの年間取引報告書
です。
これに
- 事業所得 → 青色申告決算書など
- FX所得 → FXの年間取引報告書
- 不動産所得 → 不動産所得に関する書類
などが必要になります。
国内バイナリーオプションの年間取引報告書は、国内バイナリーオプション業者から確定申告の前に送られてきます。
手順その2.確定申告書の作成をする
国税庁の確定申告書等作成コーナーで、確定申告書の作成が可能です。
国税庁 確定申告書等作成コーナー

作成開始をクリックする
提出方法を選択する


- マイナンバーカードとICカードリーダライタがあれば、e-taxを利用できます。
- 税務署で発行されたID・パスワードをお持ちであれば、e-taxを利用できます。
- どちらもない方、e-taxを使いたくない方は、「印刷して提出」を選びます。
「所得税」を選びます。

「左記以外の所得のある方(全ての所得対応)」を選びます。

生年月日などを入力します。

「給与」など必要な項目をクリックして入力します。


下部にある「分離課税の所得」で「先物取引に係る雑所得等 」を選択します。

バイナリーオプションの年間取引報告書を見ながら

- 収入
- 必要経費
を、バイナリーオプション業者ごとに1件ずつ入力します。
手順その3.確定申告書を印刷して郵送する
もろもろ、入力が終わったら、e-taxでそのまま提出・納税するか、印刷した確定申告書を郵送する形になります。
※確定申告の際に、年間取引報告書、支払通知書等の添付は不要となりました。

手順その4.納税する
確定申告で決まった納税額がある場合、e-taxや納税用の用紙で納税をします。
還付の場合は、とくに手続きは必要ありません。
国内バイナリーオプションの税金・納税での注意点

海外バイナリーオプションや海外FXとの損益通算はできない!
- FX(通貨)
- バイナリーオプション(通貨)
- CFD(日経225、外国株)
- 先物取引(金、プラチナ、原油)
などの損益は、損益通算できると言いましたが
- 海外FX
- 海外CFD
- 海外バイナリーオプション
- 仮想通貨の海外取引所
など、海外業者のサービスとは損益通算できません。前述した通りで、海外業者のサービスは、課税方法が異なるからです。
- 国内の投資サービス同士
- 海外の投資サービス同士
は、損益通算が可能です。
仮想通貨とは損益通算できない!
国内業者の仮想通貨トレードであっても、仮想通貨は「申告分離課税」の対象とはなりません。
国内バイナリーオプションと国内仮想通貨の損益通算はできないのです。
国内バイナリーオプションの税金対策(節税)

国内バイナリーオプションで税金がかかるのは「所得」に対してです。
所得 = 収入 - 必要経費
ですから、
収入は一定でも、必要経費が大きければ大きいほど、所得が下がります。
税額は、所得に税率をかけて計算されるため、必要経費を増やして所得を下げれば、税額も下がるのです。
国内バイナリーオプションで経費にできるもの
- 国内バイナリーオプションの書籍
- 国内バイナリーオプションのセミナー参加費、交通費
- 国内バイナリーオプショントレードで利用するパソコン、周辺機器
- 国内バイナリーオプショントレードで利用する部屋の家賃(一部)
- 国内バイナリーオプショントレードで利用する光回線費用
- 国内バイナリーオプショントレードで利用する携帯料金
- 国内バイナリーオプショントレードで利用する家具(イス、机)
- 国内バイナリーオプション仲間と情報交換する飲食費用、交通費
- 国内バイナリーオプショントレードで使用するツールなどの費用
- 国内バイナリーオプショントレードで使用するパソコンソフト(OFFICEなども含む)
- 国内バイナリーオプショントレードの取引手数料(スプレッドは経費にならない)
など、様々案ものがあります。
バイナリーオプショントレードで利用したことが証明できれば経費になると考えて良いでしょう。
ただし、
自宅の家賃で
- 1部屋 → バイナリーオプショントレードで使用
- その他の部屋 → 生活している
という場合は、家賃の全額が経費にはなりません。バイナリーオプショントレードと、生活でどのくらいの比重になっているのか、の割合に対して、経費にできます。
これは、税理士、会計士などに相談して、妥当な金額を設定しなければなりません。家賃全額を経費にしてしまうと、脱税になってしまいます。
国内バイナリーオプションを勤務先にバレない方法

勤務先に副業としての国内バイナリーオプションがばれてしまうのは「住民税の特別徴収」です。
通常は、住民税は、会社員であっても、自分で支払うケースが多いのですが「特別徴収」と言って、会社が代わりに支払って、給料から天引きしてもらえる制度があります。
会社員にとっては「特別徴収」の方が楽なのですが、「特別徴収」では、住民税の金額が会社にばれてしまいます。住民税は、基本的に所得の10%ですので、逆算すれば、所得金額がいくらなのか、すぐにわかってしまうのです。自分の会社の給料よりも、大幅に所得が大きいということは「何らかの別の収入がある」ということになるため、会社にばれてしまうのです。
住民税の納付方法には「差引き/給与から引く」「自身で納付する」の選択肢がありますが、「自身で納付する」を選択しておけば「普通徴収」になり、会社にばれることがなくなるのです。
まとめ
国内バイナリーオプションは
所得に対して
- 所得税:15% × 2.1% = 15.315%
- 住民税:5%
- 合計:20.315%
という税率が課税され
- 損益通算
- 損失繰越控除
という税制優遇が利用できる優遇された投資になります。
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